スターウォーズに反対!
スイスのジュネーブ(Geneva)にある国連(UN)本部で開催中のジュネーブ軍縮会議に出席しているロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は12日、宇宙兵器配備禁止に向け、中国と共同で条約案を提示した。
ロシアと中国、宇宙兵器配備禁止の条約案を提示・ジュネーブ軍縮会議
ラブロフ外相は「宇宙での軍拡競争を防止しないことには、国際安全保障は実現されない。宇宙軍拡競争の防止を議題として提案する。今こそこの分野の実務的な検討を開始すべき時だ」と述べた。
ラブロフ外相は「一国でも宇宙への兵器配備を行う国があれば、間違いなく連鎖反応が起きる。その結果、宇宙だけではなく地球上でも、新たな軍拡競争が始まるだろう」と警告した。
世界最大の無法国家であるアメリカが計画している攻撃型人工衛星への警告だよね。
欧州へのMDでロシアがイラついている現在、宇宙にまで手間をかせさせてくれんな!という愚痴ともとれるかも(^^;
でも、実際の問題として、衛星の開発力はわからないが、軌道に乗せる技術はロシアのほうが上回っていると思われるので、これは本気でドミノ倒し的な軍拡競争を懸念しての発言だろう。
だいたい、最も冷戦が緊張したレーガン政権時代、SDIなる構想をブチ上げていたがあれは論外中の論外な発想で、アメリカの軍事力によって世界を支配するという野望の現れ以外の何ものでもない。あ、こう書くと、アメリカって、ホントに実態はショッカーと変わらないよね(^^;
それはともかくとして、現在はアメリカとEUを合わせたNATOが勢力を拡大し、世界中を脅迫しているような状況なのだが、「仮想敵」って誰なんだろうね。何から身を守ろうとしているんだろ?
ライスの姉さんは、東欧へのミサイル配備では、対ロシアとしては少なすぎるという恐い言い訳をしたらしいが、こういう論理を平気で述べちゃうのって、正直、気が違っている被害妄想にしか見えないんだよね。
やってまんなぁ
ロシアの爆撃機2機が9日、太平洋西部で領空侵犯し、米軍戦闘機が緊急発進した。複数の米軍関係者が11日、CNNに語った。
「ロシア爆撃機が領空侵犯」と米軍関係者
ロシア爆撃機のうち1機は、米海軍の航空母艦のニミッツの甲板から約600メートル上空を2度飛行し、残り1機は現場から約80キロ離れて飛行していた。このほか、160キロ以上離れた地点で2機が飛行していた。
あんまりお利口な手口とは思えないんだけど、まあ調子に乗りすぎているアメリカへの示威行動だよね。
「俺たちはいつでも見ているぞ!」ってヤツ。
まあ、この前の東京急行と合わせて考えると、ロシア空軍が予算を手に入れて昔から伝統の示威行動的飛行訓練を再開したということだね。
西側でのミサイル配備でこれまで散々挑発されてきたから、それを東側で仕返ししたという感じか。ウラジオストクにいる潜水艦とかサハリンあたりに配備されている航空機のことを考えると、太平洋のほうはまだ手薄に見えるから、今のうちに「警告」しておこうという意図なのだろうか。
あ、でも大西洋での哨戒飛行も再開しているらしいから、「Мы только возвращаемся снова!」って感じなのかなぁ……。
何にせよ、挑発合戦って物騒だから「ほどほどにね」としか言えないなぁ。
政治と科学と経済と軍事は別の話
スペースシャトルが無事にISSに到着したようで何より。しっかし、不思議な構造だよねー。ISSにはソユーズでも人を送っているし、プログレスで補給している。アメリカとロシアが共同で運用・維持しているんだよね。
で、日本とロシアは、本気で平和条約の締結を目指そうとしているし、民間での経済交流も活発だ。
そんな中でMDで緊張したり、領空侵犯の示威行動だもんね。
まあ、それぞれの分野で、それぞれの顔でバランスを取りつつ付き合って行くのが国同士の不思議かつ複雑な関係なんだけど、これを全部調整している外交官って、ホントに大変だねー。
昔は戦場カメラマンかルポライターが第一志望の職業で、第二志望が外交・貿易関係だったんだけど、こんなややこしい分野に関わっていなくて良かったかも。神経が持たなかったかもしんない(^^;