厳しくても続けることに意味がある

ロシア語の翻訳者は、いったいどうやって食っていっているのか。
日本全国で、数百人単位の趣味の人が、ロシア語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・フランス語の小説を原書で読んで「これ、面白いよなぁ」と話をする、という、ほとんど俳壇・歌壇の世界。

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 実際のところ、貿易とか文化交流、外交、教育分野、特殊技術以外では食えていないだろう。しかし、私の知る限り、みんな「好き」だから本業の傍らで時間を割いてやっている。
 私も本業は出版社勤務の編集者なので、「売り上げ」ということは常日頃から考えている。だが、時としては「売り上げ」よりも「必要性」で考えることもある。
 ロシアSFへの関わりは、「必要」だと思っているから続けている。確かに出版は「産業」であるので、売れなければ仕方がないし、そもそも会社としてはやって行けない。しかし、同時に「本」というのは文化でもある。商業的なことも考えなければならないのだが、文化的な価値を考えて「これは必要だ」と思ったら、動かなければならないこともある。と思う。
 この考えは、編集者として「甘い!」と言われるかもしれない。しかし、私はこの信念で本業を続けているし、ロシアSFへの関わりも同じ考えで続けている。だから、ロシアの作品を出してくれている出版社や編集者の方々も半分は同じような考えで付き合ってくれているものと思っている。
 果たして、この考えは「甘い」だろうか?
 決して儲けるために翻訳を行っているわけではない。儲けることが目的なら、はじめから別のことをやっている。好きだから続けていられるし、必要だと思っているからやっている。
 いささか揶揄のようにも読めてしまうのだが、比較されている「俳壇・歌壇の世界」だって文化的に意味が無いとは思えないし、逆に必要な世界だと思う。決してメジャーだということだけが良い世界では無いと思うし、そう信じたい。
 「どれだけ売れるか」というのは、商業的には絶対に忘れてはいけない考えだ。しかし、「数の論理」に屈していけない一線も、世の中には必ずあると信じている。

格差社会化著しいロシア

国別に見ると、億万長者数が最も多いのは米国で415人。続いて、欧州の242人、ロシアの53人、ドイツの51人となっている。

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 確かに見ていればわかるもんね。
 これって、SFの世界でも例外ではなく、ソ連時代に開催されていたSF大会の裏には必ず「ノーメンクラツーラ」がいた。こういう特権階級に所属している好き者が道楽でやってくれていたわけだね。
 それを今はニューリッチと言われる層がやっている。まあ、こんな場所には詳しく書けないが、出版界の裏側にもニューリッチとかマフィア、共産党などがいろいろといて、黒い噂とか危ない話を直接聞いている。
 日本には「地回り」と言われる方々がいらっしゃるが、ロシアの場合はもっと構造が大きく、日本で言うところの「企業舎弟」のような(ry