伝説の鉄人の全貌

 倉本成春先生の「武道に生きる―格闘空手」(ISBN:4434040987)を読んだ。
 十数年ほど前、拳道会を紹介したTV番組で、かの有名な砂袋とか角材で拳足を鍛えるというのを実際にカメラの前でやってみせた先生である。画面に大写しになったグローブのように脹らんだ手を見た時の衝撃は、今でも鮮明に覚えている。カバーの写真でもはっきりとわかる、その手の大きさや、眼光の鋭さは、まさに鉄人と呼ばわれるにふさわしい。
 一番強い空手家は誰だ?という話になると、必ず名前が出てくる伝説の鉄人の凄まじさ、闘志、そして鋼鉄よりも強い意志の力が人間をどこまでも強く、たくましく、そして繊細で優しくするのだと実感したしだい。