ウルトラQ 「小町」

 ほのぼの愛情系の話かと思いきや、実はエンディングがそれなりに恐かったり。
 途中でネタはわかってしまうので、オチがどうなるのかと思っていたのだが、完全なるハッピーエンドと見せかけながら、実は腑に落ちない据わりの悪い結末で締めたところは評価できる。
 「愛を演じるプログラム」を愛する事はできるのか? たぶんできるだろう。本人が納得するのであればそれもアリだろう。でも本当にそれでいいのだろうか? 私にはわからない。
 そもそも、愛がプログラム可能なものなのか、つまりプログラムできるように定義またはモデリングできるのか、というとたぶん不可能だろう。愛がプログラムできない以上、小町の中にあるのは「愛を『それらしく』演じる」プログラムでしかないはずだ。だから、このエンディングに据わりの悪さを感じるのだ。
 しかし、「愛」と「完璧に愛をそれらしく演じたプログラム」との間に第三者的な見分けがつかない事も確かだ。ちょっとディック的なテーマを内在した一話だったと思う。
 ところで、小町役の長澤奈央って、「ダイバージェンス・イヴ」の歌を担当していた子だよね。あんなに可愛いとは……。