ヲタクが青春して何が悪い!――「げんしけん」

げんしけん(9) (アフタヌーンKC)
 Blog360を見ていたのだが、最近注目のキーワードで語れそうなのがこれしかないので、これについて語ってみる(^^;;
 最初は、この漫画がメジャー誌で連載されているということに驚いた。ヲタク文化のど真ん中にいる、つい最近までは「キモイ」と言われていた人種の生態を赤裸々に描いてしまえるという環境になったのだと素直に驚いた。
 しかし、回が進むにつれて、ヲタク特有の言語や行動を面白おかしく描きながらも、内容は一貫してヲタクのキャンパスライフを描写した「青春漫画」だということがわかった。
 思い返してみれば、私が大学のSF研にいたときにも本作で描かれている日常と大して代わり映えしない日々を送っていた。話す事と言えば他の人種には理解できないだろうヲタク特有の暗号と符丁に満ちた話ばかり。そして、ヲタク系サークルに入ってきた女子(実のところ美人率、良い人率は高かった)は、みんな同じサークル内の男子と付き合い始めた。
 今になって考えてみれば、内容こそ違え、他の人種と同じようなことをしていたのだ。
 所詮はヲタクだって普通の若者。恋もすれば青春だってする。そんな当たり前の事を当たり前に描いてくれた本作には、非常に感謝している。
 今では遠くなってしまった若者だった頃の感覚を思い出させてくれたからだ。