規則と現実的対処の間

サッカーのJ1リーグ、川崎フロンターレのFW我那覇和樹選手(26)が、規程で禁止されている静脈注射をしたとして6試合出場停止の処分を受け、川崎に制裁金1000万円が科された問題で、Jリーグが「ドーピング禁止規程に抵触する」と判断した川崎の後藤秀隆チームドクターの行為について、Jリーグ各クラブのチームドクターが「正当な治療」だったとして、連名でJリーグなどに質問状を送付することが17日、分かった。
今年1月21日に開かれたチームドクター連絡協議会で、今回の規程改定が説明された際、風邪や下痢、発熱を伴う脱水や食欲不振の症状に対して、点滴を行うことは「正当な医療行為」であり、その際、ビタミン剤などを入れることは、規制の対象にならないとの説明があったという。

我那覇選手のドーピング、他チーム医師は正当治療と質問状

 何をもって「正当な医療行為」と見なすのか、その点がこの問題の要だと思われるのだが、もしJリーグ側が行った説明を翻して我那覇が受けた点滴をドーピングと見なすのであれば、矛盾が存在することになる。
 もし、これが明らかな矛盾であるということになれば、ダブルスタンダードで「見せしめ」的な罰則を受けた我那覇川崎フロンターレは一方的な被害者ということになる。
 我那覇にしても、この問題で日本代表合宿に参加できなかったわけなので、選手としてのキャリアに傷が付いたわけだし、オシム・ジャパンとしても戦力ダウンということになるので、問題は「小さな事」ではすまされない。
 私も最初は「規則は規則だから仕方がないだろう」と思っていたのだが、「正当な医療行為」として説明を受けた範疇に入る処置で処分されたというのであれば、こんなに不条理なことは無いと思われる。
 明確な決着を望む。