国が戦争を美化するな

高校生が使う日本史教科書の検定で、沖縄戦での住民の集団自決をめぐる記述から「日本軍の強制」が削除されたことについて、沖縄県議会(定数48)が検定意見の撤回を求める意見書を可決する見通しになった。
自民党はこれまで「軍の強制があったという事実が確認できないという意見がある」として意見書への態度を保留し、独自に調査を進めていた。
一方、市町村議会では14日も意見書の可決が相次いだ。300人以上の住民が集団自決したとされる渡嘉敷村の議会は、全会一致で可決した意見書の中で「(集団自決が)日本軍による命令・強制・誘導なしに起こりえなかったことは紛れもない事実」と指摘。そのうえで、「検定結果は歴史的事実を直視しない押しつけの教科書であると言わざるを得ず、到底容認できない」としている。

沖縄戦集団自決、検定意見撤回求め県議会が意見書可決へ

 命令とか強制以外で、何で大勢の人間が自決などするものか。
 少なからぬ数の沖縄戦関連の本を読んできたし、映画も観たが、「軍の強制・命令」以外の原因として描かれていたものは一つも無かった。それほどまでに、沖縄でも、本土でも、「軍の強制・命令」がなされたということが「常識」と化していることだ。
 普通、手榴弾を渡されて、「いざとなったら捕虜としての辱めを受けるよりもこれで……」などと言われることが、「命令・強制」以外の何だというのだろうか。
 与党は何としてでも、先の大戦を美化したいらしいのだが、汚点にペンキを塗っても、塗料の下に透けて見えるほど大きなものは消し去る事などできない。
 そして、その後、↓こんな記事が出た。

文部科学省教科書検定で「集団自決」の日本軍関与について断定的記述をしないよう検定意見が付された問題で、布村幸彦文科省審議官は13日、審議過程の説明を求めるため同省を訪れた自民党の伊波常洋県議らに対し「軍の関与、責任は確かにある」と述べた。
同問題について文科省は国会答弁などで「軍関与を否定するものではない」と説明してきたが、この日の布村審議官の発言は、軍関与の存在や責任を従来より明確にしたものだ。

「集団自決、軍に責任」 文科審議官が言明

 そして安倍ちゃんは逃げた……。orz

要望書では、今回の教科書の修正に関して、多くの沖縄県民が「歴史の歪曲(わいきょく)だ」と認識していると指摘。検定意見の撤回と審議経過の公表を求めている。
これに関連して、安倍首相は同日、首相官邸で記者団に「沖縄戦は大変悲惨な戦いであり、気持ちは私も良くわかる」とした上で、「一方で、検定について私が指示をするわけにはいかないこともご理解頂きたい」と述べた。

集団自決教科書問題、沖縄の大学教授ら検定意見撤回を要望