男女混合野球の可能性

八日に開幕する第八十九回全国高校野球選手権神奈川大会で女性監督が”デビュー”する。全国最多の出場校を誇る大会史上初の女性監督だ。今春から吉田島農林高校(開成町、佐藤惠三校長)を指揮する伊澤里江監督(23)は、十二日の市ケ尾高校との初戦に向け、「攻撃的な野球を見せたい」と気後れすることなく気合十分だ。

初の女性監督がデビュー/全国高校野球選手権神奈川大会

 技能だけで競えるスポーツならともかく、野球のような体力勝負になるスポーツでは、どう考えても女性が不利になる。それは仕方がない。とはいえ、男性の中に女性が混じるのは、一般的な平均値で考えると体格的・体力的に無理かもしれないが、例外的に凄い女性がいることも確かだ。だから、初めから「ダメだ」と決めつけるのではなく、機会は均等であるべきだと思う。
 これはちょっと恥ずかしい話なのであまり書きたくないことだが、空手や柔術のスパーで女の子に一本を極められた経験がある私としては、そういう存在も認めるべきだと思うのだ。
 確かに、私が理想とする最上の女性は水原勇気だが、作者の水島新司先生ですら、「女性のプロ野球選手」という、フィクションとしてみても「あまりにも現実とかけ離れた存在」というハードルをいかにして越えるのか、そのアイデアにかなり苦労されたと聞く。
 現在、社会人野球で片岡安祐美ちゃんが男性に混ざってプレイをしているが、果たしてプロになれるのかどうかはわからない。失礼な話になるが、個人的には、かなり難しいんじゃないかと思っているし……。実際、これまでに大学野球で女性のピッチャーがレギュラーになったこともあるし、プロ野球団の採用試験に女性が挑戦したという例もあるのだが、結果はご存じの通りだ。
 でも、最初からダメというのと、ダメかもしれないけど門戸は開いておくというのとでは、天と地との開きがある。
 そんなチャンスが与えられていれば、いつか水原勇気のような子が現れてくれるのでは、と願ってやまないのだ。

野球狂の詩 [DVD]

野球狂の詩 [DVD]