読みやすいしぃ

ロシアの文豪、ドストエフスキーの名著「カラマーゾフの兄弟」の新訳本が26万部を突破し、古典文学としては異例のベストセラーとなっている。
現在、市販されているのは、光文社の新訳のほかに、岩波文庫米川正夫氏訳)と新潮文庫原卓也氏訳)がある。

新訳「カラマーゾフの兄弟」 異例のベストセラー

 光文社の新訳シリーズは、ゴーゴリドストエフスキーも同じで、「現代語でかつ平易な文章になっていて読みやすい」というのが最大の売りだと思う。
 それが元からの読者だけでなく、新規の読者を取り込むことができた最大の要因だろう。もちろん、内容の素晴らしさもあるが、しかしそれは訳者によって価値が変わるものでもないし、結局のところは「読んで貰わない」限り伝わらないことなので、「読みやすく訳し直された」という点が大きいと思う。
 ということは、「もうこの作品はX十年前に翻訳が出ているからイージャン!」というわけにも行かないということだ。
 翻訳は、名作であろうが古典であろうが、本を実際に買って読む読者に合わせて文章を書き直すことがマーケット的にも、そして(名作を読んで貰えるという意味で)教育的にも良い結果をもたらすということだ。
 実際、ゴーゴリも、ドストエフスキーも、ブルガーコフの「巨匠とマルガリータ」、「長いお別れ」と「ロング・グッドバイ」、「華麗なるギャツビー」と「グレート・ギャツビー」にしても、私は新訳のほうが好きだし……。
 というわけで、ストルガツキー兄弟の主要作と、スウィフトの翻訳、私にやらせてもらえませんか?>出版社各位
 と、営業エントリでした。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)