魔法の着衣

4月29日の織田記念では百メートル障害で転倒。ハードル設置ミスで左すねを激しく擦りむいた。傷あとから雑菌が入るのを防ぐため、この日は初めてタイツ姿で登場。「いつものブルマーの方が動きやすい」が、細かい差は気にしない。

女子走り幅跳び・イケクミ初タイツ姿でV 「ブルマーの方が動きやすい」

 うーん、動きやすいけど恥ずかしい。うーん、なかなかに女性は矛盾を抱えているのですなぁ。シミジミ。
 しかし、元々は女性解放運動のシンボルだったものが、逆に女性に羞恥心を感じさせるものになり、男性からは「萌え」対象になり、性犯罪を誘発し、さらにはジェンダーフリー論によって廃止されるとは……歴史とは皮肉なものである。考案者であるアメリア・ブルマー女史はこのことをどう思うだろうか?
 とはいえ、時代と共に二転三転しているのはブルマだけではない。競泳水着のハイテク化による極度に薄地化し、さらにはハイレグ化したといった露出の高さがエスカレートした時代もあったが、いまではハーフパンツ型が普及してきている。しかし、海などで見かけるのはビキニ姿のお嬢さんが多く、ワンピース型はあまり見られない。恥ずかしさとお洒落、機能性といった数多くの選択肢から抽出され選択される……うーん、女性の着衣は奥が深い……。
 そして、男は、そういった女性の選択に対して、いちいち「萌え」ているのである。
 この世の中の複雑さというか、多様さというか、業の深さを見るような気がするね。