時期的にシャレにならない悪戯だろ

「明日、九州のある駅で歴史に残る大量殺人する」という書き込みが携帯電話のサイトにあった件で、福岡県警は15日、書き込んだのは同県内のアルバイトの少女(17)だったと発表した。「いたずらだった」と認めているという。

「駅で大量殺人」書き込んだ少女を特定 福岡県警

 こういうことをする動機は悪戯心以外のなにものでもなく、ちょっとシャレにならないまでに度を超してしまったという感じだろう。まあ、実際に私もこの年代には、とてもじゃないけど今となっては人に話せない黒いジョークを言っては面白がっていたしね(軽いところでは、プロレスで、ミスターアトミックvs.ミスターケロイドの試合を組んだら面白そうだ、とか)。世間の顰蹙を買ったり、人を騒がせたりしたいのよね。実生活で鬱憤は溜まるけど、それを上手く吐き出す方法を知らない年代だからね。
 ただ、現代では、ネットという世界中の誰でも見られる場所に、簡単にこういうことが書き込めるようになってしまったので自然と話は大きくなってしまう。
 かくいう私も、思いっきり腹が立つ事をされたので、その人物に対する襲撃予告をblogに書き込んで「削除命令」を受けた事もあるので、あまりこういう悪戯に対して「けしからん!」と言える立場には無かったりする。
 でもねー、ネットの掲示板がこういう悪意や悪戯で埋め尽くされるようになったのは、どうしてなんだろうね。ああいうのを見ていると、「名無し」という匿名性の下に、一般市民が普段から隠し持っている「見えない悪意」がそのまま噴出しているようで、人間不信に陥りそうになる。
 私も巨大掲示板において直接揶揄されたことだとか、書き込みを晒されたことだって何度もあるし、特攻を受けた事もある。そういう際に「いなご」と化す方々は、「匿名」という仮面の元であっても、たとえ悪意丸出しであっても、意見をぶつけてくれるのでまだマシだ。掲示板の中に引き籠もり、第三者を気取って「こいつ馬鹿じゃねーの?」とか、他人事のように罵詈雑言を書いて憂さを晴らしている人々のメンタリティが恐い。
 私は自分の意見には自信を持ちたいので本名以外で書き込む事を良しとは思っていないし、批判も受け付ける。逃げも隠れもするつもりはない。でも、「名無し」だからこそ、抽出できる「見えない多数派」の意見が拾えるという利点を認めるのにはやぶさかではないが、そこで起こる「ヴァーチャルな暴動」としか呼べないような「祭り」を起こしてしまう集団心理はいかがなものかと思う。
 なんだか、こんな風潮がエスカレートして、今の「烏合の衆」が実社会に対して影響力を持ち始めたら恐いだろうなぁとも思うのである。実際に、ネットから始まった「嫌韓」なんて現象などに触発され、山野車輪のようなお馬鹿さんが描いた漫画が売れちゃっていたりするのを見ていると、「烏合の衆」の意見に対して現実の社会が「無視できない存在」として認識し、脅え始めるのは本末が転倒しているようにしか思えなくて、何だか恐いね。