これでも殺人犯人に人権は必要ないのか!

家庭内暴力(DV)を繰り返す夫(当時57歳)を長男(18)、長女(16)と殺害しようとしたとして殺人未遂罪に問われた広島県竹原市、会社員の女(41)に対する判決が4日、広島地裁であった。
伊名波宏仁(いなばこうじ)裁判長は、正当防衛とする弁護側の主張を退けながらも、「深い同情を禁じ得ない」として、同罪の法定刑の下限(懲役5年)を下回る懲役3年、執行猶予3年(求刑・懲役5年)を言い渡した。
判決によると、被告は長男、長女(ともに保護観察処分)と共謀し、4月30日午前6時頃、自宅で夫の首を腰ひもで絞めて、殺害しようとした。
夫は搬送先の病院で死亡、死因は覚せい剤などの薬物による不整脈とされた。伊名波裁判長は「被告は夫の暴力で次第に追いつめられていた」と指摘した。

DV繰り返す夫、子供と殺害図る…妻に温情判決

 かつて書いたエントリ「加害者にも人権はある」に対して、たくさんのブックマークを付けられたし、2ちゃんねるにスレまで立った。そして、まとめBlog記事まで作られてしまった。
 それが「無題ブログ―「加害者に人権を」に対し、賛否両論」である。そこで管理人はこのように書いていた。

故意の人殺しや強姦については人権要らないと思います。
何を平和ぼけなこと言ってるんでしょうか。
自分の家族・子供・恋人がもし殺されたら、加害者にも人権とか言える人いるんでしょうか?

 さて、この事件の場合、「故意の殺人」になるのだが、覚せい剤までやっていたDVを繰り返す父親に対し、耐えきれなくなって殺そうとした家族に人権はいらないと言えるのだろうか?
 あらゆる事件に、個々の背景と事情がある。それぞれの事件について熟考し、妥当と思われる判決を出さなければ、それは逆に不公平だし、恐怖政治が始まる。だからこそ、法律に定められている量刑の範囲や判決には幅を取ってあるのだ。
 無題ブログの管理人に聞いてみたいものだ。この母親と子供達に向かって「人権はいらない」と言えるのか?
 本当に「平和ぼけ」しているのは誰なのか、考えてみて欲しい。