今の世の中には大魔神が足りない
「大魔神カノン」は、元からあった「大魔神」のゴーレム神話を現代に合うように換骨奪胎した秀作だ。権力の抑圧が人生を左右する重大な問題だった時代があった。そして今は、「人が人を信じること」、これができるかどうかが人生を左右する重大な問題になっている。「人を信じたい」と願う巫女の切実な願いが大魔神を呼び起こす。ゴーレムが破壊すべきなのは、今や権力ではなく、人間不信なのだ。
そんな時代へと変わってしまった事は認めなければならない。
だから、いつの世でも、最後には大魔神がいて欲しい。
ただ、誤解しないで欲しいのは、大魔神が出てきてすべてをリセットするというのは、あくまでもフィクションであり、あんな迷惑な存在が出てきても良いことなどはないという点だ。「巫女が何を嘆いて泣くのか」。これが大魔神という作品が問いかけるテーマであり、それを考えることが重要なのだ。
と、↓の本を読んで思った。
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