違憲ならば即座に変えないと
服役中の受刑者の選挙権を認めない公職選挙法11条の規定は憲法に反するとして、元受刑者の男性(66)=大阪市=が17日にも、国を相手に11条が違憲であることの確認などを求める訴訟を大阪地裁に起こす。男性の代理人の大川一夫弁護士(元大阪弁護士会副会長)によると、受刑者の選挙参加を求めて11条の違憲性を問う訴訟は初めてという。
「服役中に選挙権がないのは違憲」元受刑者、初の提訴へ
公選法をめぐっては、在外邦人の選挙権をめぐる訴訟で2005年9月の最高裁判決が「選挙の公正を害する行為をした者らの選挙権について一定の制限をすることは別として、国民の選挙権を制限するのは原則として許されない」との判断を示している。
ここで問題になっているのはこの条文。公職選挙法の11条。
(選挙権及び被選挙権を有しない者)
第十一条 次に掲げる者は、選挙権及び被選挙権を有しない。
一 成年被後見人
二 禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者
三 禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
四 公職にある間に犯した刑法 (明治四十年法律第四十五号)第百九十七条 から第百九十七条の四 までの罪又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律 (平成十二年法律第百三十号)第一条 の罪により刑に処せられ、その執行を終わり若しくはその執行の免除を受けた者でその執行を終わり若しくはその執行の免除を受けた日から五年を経過しないもの又はその刑の執行猶予中の者
五 法律で定めるところにより行われる選挙、投票及び国民審査に関する犯罪により禁錮以上の刑に処せられその刑の執行猶予中の者
で、記事中にある「選挙の公正を害する行為をした者らの選挙権について一定の制限をすることは別として、国民の選挙権を制限するのは原則として許されない」という最高裁の判断から考えると、明らかに公職選挙法の11条は憲法違反ということになる。具体的には日本国憲法のここ。
第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
こういう場合、優先されるのは憲法の方だから、この提訴は妥当なものだと思う。
さて、司法がどういう判断を下すのか、非常に興味深い。
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