SFセミナー2015レポート

 cakesに「GW恒例、SFの集い 「SFセミナー2015」レポート」という記事が掲載された。
 曰く、

■未来技術とSFの転轍点
出演:大野典宏鹿野司八代嘉美藤井太洋
 本会最後の企画は、SF界で科学解説ライターとして活躍する3人と現役の本格SF作家という組み合わせ。21世紀に入ってますます科学や技術が深化・細分化する今、科学技術の最先端をキャッチアップしつつ、さらにその先を描いたり問題意識を示すことができるSFというジャンルの意義について話し合われた。
 鹿野氏は、街角の監視カメラ設置に市民が許容するようになってきた感情変化などの話題を皮切りに、かつてディストピアとして描かれていたような様々な技術が現実化していくなか、科学者・技術者はどこまでやっていいのかという倫理が本質的なテーマとして浮かび上がる現代社会の状況を指摘。そんな状況で物語をどう創っていくかということについて、その大変さと挑戦のしがいについて藤井氏は、「日本SF大賞を受賞した『オービタル・クラウド』はスノーデン事件の直後に書きはじめたものであるし、最新作の『ビッグデータ・コネクト』(文春文庫)は監視社会の実像を元にすべての人々がトラッキングされている状態でスパイものは可能か、というテーマに挑んだ」という。大野氏はIT分野から、八代氏は生命科学の分野から、それぞれ最新の倫理問題に対する興味深い話題が飛び出した好企画だった。

 いやあ、嬉しいものです。レポートを書いてくれた方に感謝感謝。
 夜の部では、この企画の延長・補完版と、「スタニスワフ・レムルネサンス」と題し、牧眞司さんと共にレム作品について語った。
 凄く久しぶりのSFセミナーだったんだけど、興味深い刺激に満ちた体験だった。