顔面への手技は危険

3日に東京・後楽園ホールで行われたボクシング6回戦でTKO負けして意識を失い、東京都内の病院に入院していたプロボクサーの張飛選手(22)=本名竹内幹雄、明石ジム=が18日に死亡した。日本ボクシングコミッションが19日、発表した。
同選手は試合後、急性硬膜下血腫と診断されて開頭手術を受けたが、意識は戻らなかった。

張飛が死亡 試合後意識不明のまま

 顔面への打撃は危険すぎるということで、全ての格闘技において何かしらの対策が行われている。伝統空手は寸止めだし、フルコン空手は顔面への手技を禁止し、硬式空手はフェイスプロテクターを付け、キックボクシングや新空手は蹴りもあるので顔面ばかりが狙われることはない。
 しかし、ボクシングは危険だ。顔面は急所の集まりなので、とにかく「倒しに行く」時には顔面を狙う。顔面を殴る技術に特化した競技なので、特に危険だ。だからアマチュアではヘッドギアを付けるし、プロでもスパーリングの際にはフェイスガードを付ける。
 もちろん、プロになる以上、こういう事態も覚悟のうえでリングに上がっているとは思うのだが、年間で何件もこういう事故が起こっているというのも凄い話だ。
 やはり、もうちょっとダウンの判定や、試合を止める判定を変えた方が良いんじゃないんだろうか。総合格闘技などは、安全面を優先して、一回グラッと倒れただけでもう試合を止めるようにしているわけだし。
 まあ、顔面有りの空手をやっている身としては人ごとでは無いのだけれど、空手ではベアナックルなら寸止め、当てる時にはフェイスガードを付けるのでまだ安全ではあるのだが、それでもやはり事故は起こるわけなので、安全策はとれるだけとったほうが良いと思われるんだけど……。

ボクシングはなぜ合法化されたのか―英国スポーツの近代史

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勇気は必要だが蛮勇はいらない

米原署は19日、強制わいせつの疑いで、大阪市平野区平野西5丁目、自称派遣工員安岡栄次容疑者(33)を逮捕した。
調べでは、安岡容疑者は18日午後3時半ごろ、JR東海道線の大垣−関ケ原間(岐阜県)を走行中の米原行き快速電車内で、隣席の大阪市内の専門学校生の女性(19)の右腕や腹を殴り、「言うことを聞かなかったら殺したるぞ」などと脅し、服の上から胸を数回触った疑い。
米原署によると、女性が車掌に被害を訴え、終点の米原駅で駆け付けた同署員に引き渡した。車両に乗客はおり、女性が「痴漢です」と助けを求めたが、通報する人はなかったという。

JR車内で女性触る 米原署、容疑の男逮捕

 蛮勇はいかん。怪我をする。もし、この男が長めの刃物を持っていたら刺されてしまう。893ぎみの風貌とか、DQNっぽい奴などは何をしでかすのかわからないので、無防備に近寄るのは危険だ。だから、他の乗客も怖かったのだと思う。
 ただねー、DQNをあしらう術はたくさんあるんだよね。カバンを盾にするとか、折りたたみ傘を持っていたらそれで威嚇するとか。携帯電話で警察に通報するというのも手段の一つだ。
 とはいえ、飛行機の中でハイジャック犯に逆らうのは大馬鹿だというのは常識なんだけど、電車の中という場所に変わっただけで、こういう柄の悪い、何を持っているのかすらわからない男の脅威に屈したからといって乗客を「弱虫」呼ばわりするような風潮があるのはいただけない。
 こういう輩を相手にするには、それなりの勇気と技術が必要だ。ヘタに手を出すとまずいんだよね。包丁でも出されたら被害者も助けに入った人も死んじゃう可能性だってあるわけだし。
 以前、特急列車で女性が強姦され、他の乗客は見て見ぬふりをしていたという事件に対して、「他の乗客は弱虫だ」といった論調がまかり通ったのだが、あれに対して私は疑問を抱かざるを得なかった。実際に犯人は893ではなかったのだが、もし本当に893だったのなら、ドスやチャカが出てきてもおかしくないのだから。そりゃあ萎縮して当然だろう。
 一応、私は普通のナイフくらいだったらカバンを盾にして折りたたみ傘で制圧するくらいのことはできるだろうが、ドスやチャカだと対応できるとは思えない。
 こういう事件って、犯人は本当にクズだと思うし、被害者もかわいそうだと思うんだけど、一概に他の乗客を責める気にはなれないんだよね。

これは誇っても良いぞ!

日本PTA全国協議会が15日公表したアンケート結果で、保護者が子供に見せたくないテレビ番組はテレビ朝日系「ロンドンハーツ」が5年連続の1位
「言葉遣いが汚くて、すぐに頭をたたく」「品のない表現で性を話題にしている」など暴力や性的な言動を問題視する意見が寄せられた。

「ロンハー」子供に見せたくない番組V5

 たいていの場合、PTAがギャーギャー言うのって、それだけ面白い番組だという事を意味するので誇っても良いのではないだろうか。
 年齢がばれてしまうが、私が子供の頃は「8時だよ、全員集合!」とか「うわさのチャンネル」、「ウィークエンダー」などが「俗悪番組」と言われていたが、単純に面白かったし、特に悪影響は受けていないと思うぞ。
 ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」じゃないけど、「笑い」を不謹慎なものだと見なす画一的な基準は危険だと思われる。ヤバイものも知り、非常識な行いを見て笑えるというのは、それが「世の中の基準から外れている」とわかっているからこそ、できることなんじゃないのかなぁ。
 子供が「うんこ」とか「おしり」とか「ちんこ」とか言いたがるのは、成長期・反抗期ということもあるし、その言葉を言った時に大人が慌てるのが面白いからなのだ。子供は十分にそのことを心得ていると思われる。だから、大丈夫なんじゃないの。
 と、俗悪番組だけを見て育った私は思うのだった。

薔薇の名前〈上〉

薔薇の名前〈上〉

薔薇の名前〈下〉

薔薇の名前〈下〉