朝から熱くなってしまった

  「国旗に起立、国歌斉唱」何をそんなに抵抗するのか?
 Livedoorの「Public Journalオピニオン」には様々な方々がいて、いつもその意見に賛否両論が寄せられている。中には頭の足りない人もいらっしゃるが、相手にしても仕方がないのでスルーしている。まさに「スルー力」が試される場である。
 しかし、ちょっとこの記事だけは酷すぎると思った。


さて、都立学校の教職員は公務員である。個人としての思想・良心よりも、まず公僕としての責任と義務が課せられ強制されるのは当然である。
 確かに公僕としての責任と義務はある。当然だろう。公務員法にも下記のようなことが書かれている。

国家公務員法
(職務に専念する義務)
第101条 職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

地方公務員法
(職務に専念する義務)
第35条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

 ふん、一見すると正論のように思えるのだが、ここで争われているのは、下記の条項である。

日本国憲法
第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
 一般的に、憲法は日本国の「最高法規」なのだが……。この人は「最高法規」よりも公務員法のほうが重要だと考えているのだろうか。
 これではまるっきり順序が逆である。
 また、下記のような記述もある。

オリンピックをはじめとするスポーツの国際試合で、日本チームや日本人選手が優勝したとき日の丸が掲揚され君が代が厳かに演奏される。その場面に違和感を抱く日本人はほとんどいないはずだ。むしろ、同じ日本人として嬉しく、誇らしく思うはずだ。即ちそれが「愛国心」というものなのだが、学校行事における国旗掲揚・起立、国歌斉唱という場面になると何故それほどまでに抵抗しなければならないのか。
 「愛国心=国旗・国歌に敬意を持つ」という図式は、いつから成立したのだろうか。
 私も日本に生まれ、日本に住んでいるので若干の愛国心はある。だからこそ、日本国のおかしな箇所に対しておかしいと発言するのだ。関心がなければ、最初から何も言わない。
 さて、それと「国旗・国歌」、具体的には「日の丸・君が代」に愛着を持つのかどうかと言うのは別の話である。確かに「国旗国歌法」には「日の丸・君が代」が「国旗・国歌」だと書いてある。
 だからどうだというのだ?
 建前的には「法律で定められていること=遵守すべきこと」なのかもしれない。しかし、「法律で定められていること≠愛着を持つこと」であるのも事実である。また、おかしな法律に対して反感を持つ自由もあるし、権利もある。
 この記事を書いた人には理解できないことなのかもしれないが、全ての法律に対して異議がまったくないという人は少ないと思うのだが。
 もし、「お国が定めたことだから」と無条件に受け入れるべきだ考えているのなら、それは甘すぎる。国民による国へのチェックが存在しなくなったら、そこから国民の思考停止と国家の暴走が始まる。それがどんな結果を招くのか。隣にある半島の北に位置する国の例を出すまでもないだろう。
 そして、最も許し難いのは、下記の記述である。

 訴訟を提起した教職員たちは、精神的な損害を受けたとして賠償を求めている。逆の立場で言わせてもらうならば「祖国の国旗と国歌を冒涜された精神的苦痛」に対しては、どのように対処してくれるのか。
 何を考えているの?
 そんなのお互い様じゃないの。国旗・国歌を強要された側も精神的苦痛を味わっているのだ。
 もし、今回の件に不服を感じ、精神的苦痛を味わっているのなら訴訟すれば良いだけの話だ。マイナーなWebで愚痴をたれている暇があるのなら、それよりも先に行動を起こしたらどうだろうか? 精神的苦痛を味わったとして、提訴した「公僕」側のほうが百万倍も立派だと思う。
 そもそも、この人は、かなり独りよがりで、他人の心情を察する能力が不足しているとしか思えないのだが。

彼らの態度は、要するに「国旗に起立したくない」「君が代を歌うのがイヤ」という我が侭でしかない。
 これなどは、「最高法規」たる日本国憲法に記されている「思想・良心の自由」を「我が侭」とすり替えてしまっている。暴論もいいところだ。
 まぁ、日本には「思想・良心の自由」があるので、他人の権利を侵害しない限りは何を書いてもいいとは思う。だが、この人は、その「思想・良心の自由」の上に立ち、他人の「思想・良心の自由」を「我が侭」であると断言してしまっている。自分の足下を掬うような自己矛盾した立場で物を言っているとしか感じられない。
 ちょっと、自分の足元を見直してみたらどうだろうか。
 そして、結論は、目も当てられないほどに酷い。

それら個人の信条を理由に「国旗に起立」「国歌斉唱」を拒否したいのならば、まず公務員の職を辞するべきであろう。
 もうここまでくると、暴論の域を通り越して妄言としか思えない。この人の中では「公務員=信条を持たない国家のロボット」という定義なのだろうか。
 この人の個人ページを見るとフリーライターらしいのだが、こんなに硬直した頭でよくぞまぁ「言論」を語れるものだと呆れかえってしまう。
 もう、この人に付ける薬は無いのかもしれない。ご愁傷様。

#12/27追記 案の定、「はてブ」送りの刑にされていた。(ここ