「オカルト脳の恐怖」

生まれ変わりも、仏教に「輪廻(りんね)転生」という思想があるに過ぎない。にもかかわらず、テレビではそんな話が当たり前のように紹介され、最近では「前世」やら「霊視」などという言葉がむやみやたらにタレ流されている。
「中世のお姫様の生まれ変わりだ」「死んだおじいさんが後ろにいる」…。大学生の中にも信じ込む者がいるぐらいなのだから、子供たちへの影響は言わずもがなだろう。

オウム事件12年…オカルト番組の危険性

 そもそも、仏教で言う「六道輪廻」というのは、生前の罪によって六道を転生し続けるという永遠の苦しみであり、その輪から抜け出る(解脱)ことを目的として修行をするはずなのだが……。
 それをまあ、都合良く解釈して、武士の生まれ変わりだの何だのと、どの面下げて言えることやら。
 江原啓之神道に傾倒し、その後は「キリスト教国」であるイギリスに渡って勉強したということだが、神道にもキリスト教にも「生まれ変わり」とか「前世」といった考え方は無い。つまり、仏教的思想との接点は無いのだ。神道では死後には穢れを取り除かれて神になるはずで、またキリスト教ではキリストによって「永遠の生命」を与えられる(そして復活のための準備をする)としている。また、神道キリスト教もオーラ(気でもプラナでも良いが)という考え方との接点が無い。
 また、「守護霊」というのも、もともとは民間信仰から出てきたもので、そもそも命が「輪廻」してしまう仏教とは考え方が矛盾している。
 要するに、メチャクチャ。なぜに信じてしまう人がいるのか理解に困る。
 私は科学万能主義だからオカルトを否定しているわけではない。非科学的だからといって、伝統文化や宗教などを否定するつもりは毛頭無い。
 ただ単純に、あまりにも迷信的な新興宗教的、カルト宗教的な考え方だから否定しているのだ。