憲法改悪の今こそ

58年に故フランキー堺さん主演で放送されたドラマ「私は貝になりたい」が、SMAP中居正広(34)で映画化される。TBSと東宝が製作し、来年冬公開予定。理髪店主が徴兵され、戦犯として処刑される悲劇を描いた名作は、59年には映画、94年には所ジョージ主演でドラマ化されている。

中居で名作「私は貝になりたい」映画化

 フランキー堺版も所ジョージ版も泣けた。原作はもうこの上ない傑作だ。脚本版を初めて読んだのは小学校五年生の時だった。親が持っていた本を読んだのだが、号泣した。そして、これが事実であったということに対して、たいへん大きなトラウマを残すとともに、その後の「正しい戦争は無い」という私の確信の元にすらなっていると言ってしまっても過言ではない。このドラマのような状況があったという一点をもってしても、靖国の存在、そして靖国への合祀をあくまでも反対する理由になりうるとすら思っている。
 再映画化は大歓迎。ぜひとも観てみたい。
 ただ、主役の雰囲気が……このドラマは、あくまでも冴えなくて気が弱い一市民という立場だからこそ、悲劇が引き立つのだが、大丈夫だろうか。その点が心配。

私は貝になりたい―あるBC級戦犯の叫び

私は貝になりたい―あるBC級戦犯の叫び