活動の活発化≠危険

米国家情報長官のもとで、防諜(ぼうちょう)活動を統括しているジョエル・ブレナー氏は米公共ラジオのインタビューで、ロシアによる対米スパイ活動は「通常のレベルに戻った」と述べ、冷戦時代と同様の激しさになっていると警戒感を表明した。
ブレナー氏は「1990年代、ロシアは多くの分野で困難に直面していた。スパイ活動も同様だった」と指摘した。同氏は今日、中国、イラン、キューバとともにロシアによるスパイ活動を注視すべき対象とした。
連邦捜査局FBI)でスパイ防止活動の責任者を務めたデーブ・ゼイディー氏も同番組のなかで現在、米国内で活動するロシア人スパイは100人を超えるとの見方を示した。

ロシアの諜報活動 冷戦時代と同じ水準に逆戻り

 まあ、国ごとに諜報活動を行い会う世界というのは、私の理念からすると「まっぴら御免」というレベルの物騒な話だ。しかし、現実的には、政治や軍事、経済などの分野で情報収集は行う必要があるということだろう。
 一時期、軍事も諜報活動もする余裕も予算もなかったロシアだが、好景気の波に乗って、再び情報収集を開始したという事だろう。どちらかというと、米ロ、欧州とロシア間の軍事的・経済的緊張が高まっている時でもあるので、このニュースは特に不思議でもない。
 しかし、ここで注意しておかなければならないのは、「このスパイ合戦に火を付けたのはアメリカのほうである」という点だろう。
 結局、「先に手を出して挑発をしたのは誰だ?」という話に戻ってしまうのである。「アメリカの国益」という名の元、他国をないがしろにし、蹂躙してきた国に対する警戒措置としては、仕方がないという部分があると思う。