これはひどすぎる

パリ郊外のセーヌ川沿いにあるアルジャントゥイユ市で、中心街からホームレスを追い出そうと、ネズミ駆除に使う化学薬品を市が路上にまいていたことが明らかになった。市は当初、市職員に散布させようとしたが拒否され、業者に依頼したという。「非人間的な方法による弱い者いじめだ。容認できない」と、非難の声が上がっている。
刺激性の悪臭を放つもので、箱には吸入禁止と記されていた。人が吸った場合、吐き気を催すという。
計画を主導したとみられるモトロン市長は路上生活者嫌いで知られ、3年前には街中で物ごいを禁止する行政命令を出し、物議を醸している。

ホームレスをネズミ薬散布で「駆除」 仏で非難の声

 私が最も忌み嫌う「弱者への一方的な暴力」、「権力者の傲慢」、「差別的意識」、「人権の蹂躙」、「横暴」といった要素が全部詰まっているという信じられない事件だ。
 自ら希望してホームレスになる奴などいない。社会のシステムから、望まずともパージされ、ホームレスとなって物乞いをしなければ生きて行けなくなった人達だ。行政は、そういう人達を「排除」するのではなく、「援助」して「社会復帰」させるのが本来の役目ではないのか。
 その役目を果たそうともせず、行政の最高責任者が一方的にシステムの中から追い出された人達を差別の目で見ているということ自体が信じられない。そしてさらに「毒」を使って追い出そうとするなどという「人権を全く無視した非人道的な方法」を使ったというのは、ホームレスの方々への「無差別虐殺」に等しい行為だと思う。
 きっと、この「モトロン市長」は、ヒトラー並の「社会的優生主義者」なのだろう。「勝った者」は、「負けた者」の命すら奪う権利があると思いこんでいるのだろう。こんな差別主義者は社会的な制裁を受け、自らがホームレス化して、誰からも顧みられず、肥大化したプライドとその反動から来る劣等感に苛まれながら、最悪の死を迎えて欲しい「される側」の気持ちを思い知って欲しい。(追記:はてブで指摘された。確かに死を迎えてくれ、と願うのはこの市長と同じ思考方法だ。訂正。)
 マジでそう思う。