すっきりしない結末

沖縄戦の「集団自決」をめぐり、来春から使われる高校日本史の教科書検定で「日本軍の強制」が削除された問題で、渡海文部科学相は26日、教科書会社6社から出されていた訂正申請を承認した。「日本軍が強制した」という直接的な記述は避けつつ、「軍の関与」や「戦中の軍の教育」などによって住民が自決に追い込まれたと記しており、「集団自決が起きたのは、日本軍の行為が主たる原因」と読める内容になった。

「集団自決」に「軍の関与」復活 検定意見を実質修正

 あ、あ、あ、普通、軍人が民間人に対して「自決用」として手榴弾を渡し、「敵に何をされるかわからないから、その時には潔く!」と言ったとしたら、状況的には、それって強制じゃないの?
 「使うのか、使わないのかは任せる」という態度だったというわけじゃないんでしょ?
 「敵に陵辱されるぞ」とか、「辱めを受けるのなら自ら祖国の英霊となれ」と普段からカルト宗教まがいの教育をし、その上で手榴弾を渡したというのなら、「命令による自決強制」とまでは言えないかもしれないけど、「心理的圧迫による自決強制」だったとは言えるんじゃないのかなぁ。
 「軍の関与」という記述を復活させたのは大きな前進だとは思うのだが、その向こうにある「民間人にとって軍命は絶対だったので、軍の強制以外のなにものでもない」というところまで書かないのは、どうもすっきりしないなぁ。