こういうの、一番嫌い

「もし(黒人の)オバマが大統領になっても、そこをホワイトハウスと呼ぶのか…」。米メディアが20日までに伝えたところでは、今月中旬にテキサス州ヒューストンで開かれた州共和党大会の会場周辺で、民主党の大統領候補指名が確定しているオバマ上院議員に対する差別的な文言が印刷されたバッジが土産物として売られていた。

「オバマ大統領でもホワイトハウスか?」差別バッジも現れて…

 肌の色が違う、生まれた国が違う、生活習慣が違う、文化が違う、好みが違う、信条が違う、宗教が違う……人なんて差があって当然だ。全員が同じだったら気持ちが悪い。
 それなのに、「アメリカは白人支配でなければならない」とか、「韓国人は日本から出て行け」とか、そういった未だに根強く残る差別的な思考には、本気で気持ち悪くなる。
 昔、SF大会で、作家志望で小説も書いているという青年が、「人間である以上、差別感情は絶対になくなりませんよ」と言ったのを聞いて、大激論の末に〆てしまったことがあったが、この青年が未だに作家になっていない事を幸せに思う。
 人間の中で差別感情を消せないような人間が、異星人とかミュータントといった存在を受け入れ、思考実験することなど不可能だろう。「異人」だとか「異能」、「異才」というだけで人を色眼鏡で見るのは仕方がないなんて、愚の骨頂だ。
 ところで、日本の某巨大ファンダムは、代表が国粋主義者なのだが、代表とは何の関係もない一会員から「お前なんか入れてもらえないよ」と言われた事がある。別に私は入りたいとも思った事もないし、入れて欲しいとも言っていない。余計なお世話じゃ。というか、私が左翼的思想を持っていて、自分が代表と同じ国粋主義者であるということで、私を馬鹿にしたくて言っただけだろう。
 柔軟な思考が求められるはずのSF者がこの程度か……と思うと、情けなくなったよ。

新・アメリカ合州国 朝日文芸文庫 ほ 1-40

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