間違った善悪の判断

インターネット掲示板創価学会朝鮮総連本部を爆破すると書き込み、警察業務を妨害したとして、千葉県警四街道署は17日、業務妨害の疑いで、四街道市の無職の男(24)を千葉地検書類送検した。
男は「創価学会朝鮮総連は悪い団体だから、こらしめてやろうと思った」と動機を供述。

「総連」と「創価蛾会」爆破と書き込み書類送検

 この単純すぎる論理に危険性を感じる。短絡的すぎる。
 なぜに「悪い団体」だと判断したのか? なぜに「自分に懲らしめる資格がある」と判断したのか? しかも、なぜに「爆破予告をする」という悪質な犯罪が「こらしめ」になると思うのか? もう訳がわからない。
 私は特定の団体に対して「好き/嫌い」という感情は抱くが、「良い/悪い」の判断まではしないし、できるわけがない。
 一概に言って、事の善悪など、相対的なものだ。絶対的な善とか、絶対的な悪など、この世には存在しない。「悪」とみなされる側の組織にも、そこの論理があるからだ。そもそも「悪い」と言って良いのは、その団体がやらかした事が司法の場で「犯罪」だと判決が下った時だけだ。
 私は、暴力団右翼団体も警察も嫌いだが、一方的に「悪い奴ら」だとは思っていない。そんな「絶対悪」のような団体など、ウルトラマン仮面ライダーといったフィクションの中にしか存在しない。
 危険だと思うのは、「創価学会」とか「朝鮮総連」といった、比較的悪質だとも思えない組織を「悪い団体」だと、犯人に思わせるに至った情報の出所だ。出所は、2ちゃんねるのような掲示板だというのは明らかだが、そんな無責任な落書きを信じてしまう人がいるという点が凄く歪んでいると思う。