今度は期待できる

麻生太郎首相は二十二日夜(日本時間二十三日午前)、当地でロシアのメドベージェフ大統領と初めて会談した。大統領は、最大の懸案である北方領土問題について「解決を次世代に委ねることは考えていない」と述べ、早期解決に強い意欲を表明。両首脳は、それぞれの政府内の実務担当者に交渉の加速を指示することも確認した。

北方領土 首脳会談 ロシア大統領が意欲 『解決次世代に委ねない』

 北方領土問題は、ロシアが日本と平和条約を締結するにあたっての最大の障害になっている。
 ロシアとしては、西側にNATOとの緊張をかかえ、中国とは仲良くできる余地はない。そうなると、東側にいる大国である日本への逃げ道が欲しいのだ。特に樺太の共同資源開発や安全保障の点で、日本との平和条約締結は「早急の課題」になっている。これはプーチン時代からの最優先事項なのだ。
 ただ、問題は「保守派」とか「右翼」の存在である。日露両国にそういう存在がいるので、なかなかに反対が多くて話を先に進める事ができないのだ。何を考えているんだか。
 ロシアは、北朝鮮にも影響力を持っているので、拉致問題の解決などには強い味方にもなるというのに……。また、漁業資源、地下資源開発が共同でできれば、日本にとっても非常にありがたい存在となる。
 もう経済レベル、文化レベルだけでなく、防衛の面でも自衛隊がロシア軍の視察などを行うレベルにまで入っているというのに、政治レベルでだけ止まっているのは変な話だ。また、アメリカが世界的に影響力を失っている以上、アメリカだけに頼っている時代ではなくなった。ロシアや中国とも積極的に融和しなければ、今後はやっていけないだろう。
 「ロシアは北方領土問題があるから敵だ!」という意見はもう捨てるべきだ。「北方領土問題を解決して味方にしよう」という発想の転換が早急に必要となっている。