人の心が病む時代

沖縄県那覇署は21日、CD店の女性店員に塗装用スプレーを吹きかけ、ライターで火を付けてやけどを負わせたとして、同県南城市佐敷、無職真喜志(まきし)和也容疑者(31)を傷害容疑で逮捕した。
店員とは面識がなく、「仕事がなく、将来に希望が持てない。世間へのうっぷん晴らしにやった」と供述しているという。

店員にスプレー吹きかけ火付ける、31歳男「うっぷん晴らし」

 こういうのって何なんだろうねー。人の心がささくれ立っている。
 何でも良いから、誰でも良いから、赤の他人に危害を加えることで心の平安が保たれるのだろうか? そんなことは絶対にあり得るはずがない。本人も刑務所行きだし、被害者は体にも心にも傷を負う。
 結局、誰の得にもならないじゃんね。
 人の心をここまで壊してしまうくらい、今の世の中は環境が悪くなっている。人たちが安心して、モラルを自覚して過ごせる世の中ではない。
 金がすべてというわけではないが、金がなければ何もできない。職が見つからなければ、将来に対して不安を抱くのも当然だ。
 その原因が今の酷い不況状態にあるとだけ考えるのは安直で単純すぎるし、不況の始まる前からこんな不条理な事件は多発していた。
 結局、モラルが守られない、自分がしでかそうとする事の結果が考えられない、自分の行動に対して責任も社会人としての自覚も無いところまで来てしまっているのだ。
 社会教育と経済、そして蔓延しつつある身勝手な個人主義などが混じり合ってこんな状態になってしまったのだろう。
 モラルの崩壊、外国人差別排他主義、他人への信頼と尊敬の欠如……。日本はまだ世界の中では安全な国だとは思うのだが、抜本的な社会改革をしないとたいへんなことになりそうな気がする。人が幸せだと感じられる、希望と理想を持って生きてゆける社会でなければならない。