日本武道祭

 昨日、日本武道館で行われた。日本における武道の振興を目的として作られた場所なので、こういうイベントは大事。
 で、何ゆえに行ったのかというと、最近はそういう関係のお仕事もしているので、実際にいろんな武道を見ておきたかったから。現代武道はともかく、古武道などは滅多に見学できるものでもない(練習場所が限られていたり遠かったりする)ので、絶好の機会だったりする。
 それに、空手道の演武は、各流派が持ち回りで行っているのだが、今年は私がいる流派になっていて、道場でお世話になっている先生方が勢揃いで出てくるということだったから、これはすでに義務の領域に達していたりしたのだ。
 空手の演武、凄かった。普段、道場生には絶対に見せない、教えないような超絶的な技が出る出る(^^)。
 あと、面白かったのは、普段は競技としてしか見られない武道でも、範士クラスの人が出てきて、達人レベルの人しか習えない型を披露してくれた事。柔道や剣道は競技ばかりがイメージとしてできあがっているのだが、実際には型もある。その型が実戦的で凄いの何の。こういうのを見られる機会ってあんまり無いから、勉強になったよ。競技の中では「禁じ手」にされてしまっている技も型の中にはあるからね。
 うーん、実際、型が残っている武道って、競技の練習と平行して型稽古もやるべきなんじゃないのかなぁとは思った。空手とか薙刀なんかは型も競技の中に入っているから良いんだけど、柔道や剣道も早いうちから型をするべきなんじゃないかなぁ。型練習ってバカにされがちだけど、型でしか身につけられない技術もあるからねぇ。
 実際、合気道とか少林寺拳法の柔法とかは危険すぎるので、あんなものをガチで試合したら、怪我人が続出することは目に見えているんだよねー。あれは約束の中で練習しないと受け手の身体が確実に破壊されるからね。恐いんだよね。
 古武道として興味深かったのは竹内流柔術。甲冑柔術と、殿中柔術は興味深かった。合戦で刀が使えなくなった場合、重たい鎧を纏ったまま相手を取り押さえ、守られていない隙間に脇差しを差し込む挙動は考え抜かれていて面白かった。また、殿中では刀を預けなければならないので脇差ししか持っていない。そんな装備で、しかも正座した状態で事に及んだ時にどう取り押さえて脇差しだけで仕留めるのかとか。現代ではそんな状況などあり得ないだけに、古流柔術の原点が見られたのは幸いだったね。
 まあ、何であっても百聞は一見にしかり。実際に見て、型の重要さとか、古武道の凄さが身にしみたね。

古流柔術戦闘理論―神代から伝承する驚異の術理

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