日本はアジアにある国です

 日中韓首脳会談に関する主要五紙の社説を引用。
 隣国との結束を強めようという姿勢は大歓迎だと思う。しかし、あくまでも日米同盟にこだわり、アジアでの結束に対して異を唱える二つの新聞屋さん、そのアメリカの大統領は核兵器廃絶への積極的推進によってノーベル平和賞に決まった事を忘れていないか?
 韓国はまさにすぐ隣にある工業国として、日本にとっては不可欠な存在だ。そして中国は世界最大の工場であり、急激に伸びている国でもあり、しかも日本は生産や輸入の多くを中国に依存している。
 アジア重視の外交政策は決して間違っていないと思う。

朝日
日中韓―「共同体」の模索が始まる
 日中韓3国の首脳会議が北京できのう開かれ、「歴史を直視し、未来に向かう」と誓い合った。始まって10年になるこの会議は、日本の政権交代を受けて、相互信頼と対話の新たな段階に入ったと言えるのではないか。
 鳩山由紀夫首相が掲げている「東アジア共同体」は、共通の長期的な目標として共有することになった。
 鳩山政権のアジア外交は、歴史問題を抱えてまだぎこちない3国関係のベクトルを、共同体に象徴される未来の方へ向けることから取りかかろうとしている。
 オバマ米大統領が唱えるような、多国間協調を大切にする世界の外交の流れにも沿ったものだと考えたい。


東京
日中韓首脳会談 共同体を語れる信頼を
 日中韓首脳会談が「東アジア共同体」を目指す共同声明を採択した。その中身はまだ不明確だ。北朝鮮の核や環境問題などで協力の成果を上げることなしには、共同体を語れる信頼は生まれない。
 三カ国首脳会談の十周年声明は鳩山由紀夫首相が推進する「東アジア共同体」構想の具体化に引き続き協力することを確認した。


毎日
日中韓首脳会談 「共同体」の全体像示せ
 日中韓首脳会談が中国・北京で開かれた。席上、鳩山由紀夫首相が持論の「東アジア共同体」構想を提起し、中国の温家宝首相、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領から好意的な反応を得たという。日本のアジア外交がやっと動き出した。
 この数年間、自民党政権下で日本のアジア外交は影が薄かった。驚異的な経済成長によって大国の地位を確立した中国と、その中国に急接近する米国という二つの風圧にあおられて金縛り状態になっていた。袋小路から抜け出せたのは、政権交代の効果だろう。


読売
日中韓首脳会談 アジア重視の前提は日米同盟
 鳩山外交の本質はやはり「脱米入亜」だと受け取られないか。
 北京で行われた日中韓首脳会談で、鳩山首相は「今までややもすると米国に依存し過ぎていた」と述べた上で、「日米同盟は重要だと考えながら、アジアをもっと重視する政策を作り上げたい」と表明した。
 首相の意図は、自民党政権下の外交を「米国依存」と印象づけ、政権交代による外交姿勢の変化をアピールしよう、ということなのだろう。


産経
日中韓首脳会議 米国抜きの共同体は危険
 鳩山由紀夫首相と温家宝中国首相、李明博韓国大統領の日中韓首脳会議が北京で開かれ、北朝鮮6カ国協議早期復帰と再開へ向けた協力で一致し、東アジア共同体構想の検討などを盛り込んだ共同声明を発表した。
 鳩山首相は2日間に日韓、日中首脳会談もこなし、就任後初のアジア訪問外交を締めくくった。
 北朝鮮の核・ミサイル廃棄や拉致問題の解決を促す日中韓の協力体制強化は当然であり、歓迎できる。だが、首相の東アジア共同体構想には米国や中国の位置づけなど懸念される点が多い。日米同盟関係を危険にさらさないように、首相は明確で首尾一貫した説明を果たす責務がある。