師走の中日に振り返ってみる

 今日は沈みがちなエントリが続いて申し訳ない。曇っているせいかな(^^;;
 仕事って何だろう、とずっと考えていた時期があった。
 好きな事だけをしてお金が貰えるのなら、それはそれで良いのだが、世の中はそんなに甘くはない。だからといって好きでも無いことを続けるのも苦痛だ。
 かつて、ボリス・ストルガツキイが『滅びの都』(ASIN:4905821428)の中で次のように書いていた。


ただ飲んで、食べて、気晴らしをするだけでなく、何か大切な目的を追求し、生きることのなかに何か気高いものを求め、食べるために働くのではなく、働くために食べるのでなければならない。
 じゃあ、と自問し続けた。私は何か大切な目的を追求しているのだろうか? もうちょっと言えば、その目的を追求することが好きなのだろうか?
 もともと、自分の職業は、好きだったから選んだのだし、好きだったから続けていたのだし、嫌いになる理由も思い当たらない。
 しかし、一時期、私の顔は、嫌なことに携わらなければならないという、苦痛に歪んでいたと思う。
 話は変わるが、私が好んで行くお店のマスター達は、脱サラして独立し、本当に好きなことをしているという例が多い。もちろん、お店を出したからといって、すべてが上手く行くなどということはなく、逆に苦労のほうが多いことだろう。だが、みんなに共通して言えるのは、非常によく働き、顔が輝いているということだ。自分が好きなことをしている間は、苦労ではなく楽しみなのだと、その人達の顔が語っている。
 私はちょっとの間、というかかなりの間、迷走してしまっていた。上で紹介したお店のマスター達の姿を見ては「仕事って何なんだろうね?」と考え続けていた。
 しばらくそんな状態が続いていたのだが、今年になって少しずつ、考え方を変えられるようになってきた。
 私は確かに、自分の好きなことを仕事にしている。嫌なことなんて無い。世間一般から言って、それって恵まれていて、贅沢なことなんじゃない?
 まだまだ自分の置かれている立場のありがたさを十分に実感する境地には達していないが、少しずつ見え始めてきたのかなあとも思っている。