スコア:1, すばらしい洞察

日本に来た外国人にとって、何が一番印象に残るでしょうか。私が来日してから一番目立っていたのは、様々な「注意」です。地下鉄の「足元にご注意下さい」から始まって、交通監視員の人数まで、東京の街は危険と注意であふれているようです。
もしかしたら「注意の話」は、単なる挨拶。つまり1つのエチケットに過ぎないのかもしれません。でも日本語ほどお世話好きで、相手のことを心配する外国語はないのではないでしょうか。

ロシア人留学生の不思議〜日本は危ない?

 あ〜これなんだけどね〜、私も何かと指摘される。「お気を付けて」とか「身体に気を付けて」といったニュアンスで、それっぽいことを言ってしまって、逆に相手を恐縮させたり、『お前、親切だなぁ』とか言われてしまったり。
 あとは、「すいません」を直で言っちゃう点も指摘される。日本語の感じで「あ、すんません」といった調子で使ってしまうのだが、「そんなに謝るな」とか「謝る必要は無いよ」とか、言われてしまう。
 言葉の違いはもちろんあるし、日常のマナーが違うから、これは仕方がないと思うのだが、指摘されてみれば確かに日本では相手を気遣う表現が多いし、奥ゆかしい言い回しが好まれる。
 それに対して、「日本人は、はっきりと物を言わない」と批判されてしまうのだが、そこはそれ、文化が違うんだから、こちらが無理に向こうに合わせる必要も無いし、向こうがこちらに合わせる必要もなく、お互いにわかったうえで許容すれば良いんじゃないのかなぁ。
 日本の人は、総じて奥ゆかしいから何でも「日本は世界の標準ではない」とか思っちゃいかねないけど、逆に言わせてもらえば「日常生活のマナーに世界基準は無い」ので、無理して合わせる事も無いかなぁとは思っている。だいたい、道徳心なんて、個人でも違うし国によっても違うから、こんなもんで「グローバル」とか「インターナショナル」とかの言葉を持ち出されても困っちゃうよねぇ。
 「外国人を相手にする時の注意」みたいな本が出ているけど、あれってたいていはアメリカ人を相手にする時の注意が書かれているわけだし。外国はアメリカだけじゃない訳なので、参考程度に読んでおいて、あとはケースバイケースで対処すれば良いだけじゃないかと思う。
 日本は日本で、奥ゆかしくて相手のことを思いやるという、「非常に良い日常のマナー」を身につけているんだからさぁ。自信持っても良いと思うよ。
 まあ、外交とか貿易関係、法務関係だったら、相手の事を研究するのは必要だと思うのだが、民間交流では、そんなに肩肘張る必要は無いと思うね。