ついにやっちゃった

ロシアのイワノフ第一副首相は3日、ロシアによる欧州通常戦力(CFE)条約の履行停止に関連し、「今後、ロシア領内の部隊移動について誰にも通知しない」と述べた。インタファクス通信が伝えた。
プーチン大統領は4月に行った年次教書演説でCFEの履行停止を宣言していたが、同第一副首相の発言は具体的な措置に踏み込んだもので、欧米で懸念が高まりそうだ。

部隊移動の通知停止=CFE条約履行せず−ロシア

米国とロシアの外務・国防担当閣僚が9月にも会談し、米ミサイル防衛システムのポーランドチェコへの配備計画について協議する見通しとなった。フリード米国務次官補(欧州・ユーラシア担当)が4日、一部記者団に明らかにした。
米ロ間で外務・国防担当閣僚が一堂に会する、いわゆる「2プラス2」が開かれるのは異例。ロシアが中欧諸国への米ミサイル防衛システム配備計画に強く反発する中、米国のライス国務、ゲーツ国防両長官が事態の打開に向け、説得に乗り出すことになった。

米ロ外務・国防相会合開催へ=ミサイル防衛問題の打開目指す

 これ、ロシアが怒るのは当然の事で、本件に関しては一方的にアメリカが悪いとしか言いようがないのだが、便宜上は「説得する」となっているものの、本質的には「釈明する」ことになるのだろう。
 何度も書いているが、東欧でのMDに関して、いたずらに刺激したのはアメリカである。しかも、「イランへの牽制」などという実行力があまり無さそうな理由で、しかもポーランドチェコの政治的な立場の足下を見たとしか考えられない卑劣な手を使ったのは誰なのか、アメリカはそれを自覚する必要があるだろう。
 まあ、それが自覚できないから、今の「アメリカ不信」を招いているのだけど。
 そろそろ、アメリカはブッシュの失策を認めて元の鞘に戻すのか、このまま突っ走って悪い意味での「新世界秩序」を作り上げてしまうのか、真剣に考えた方が良いと思われる。いつまでも傲慢は許されない。