最高法規は簡潔に
改正案は、「日本国民は和を尊び」「独自の伝統と文化をつくり伝え、多くの試練を乗り越えて発展してきた」などと、2005年に自民党新憲法草案を取りまとめる過程で中曽根氏の原案から削除された文言を再録。「家族を尊重し、礼節を重んじ」との表現で伝統的な価値観の称揚も明記した。
中曽根元首相らが改憲案発表=保守色前面、早期実現訴える
「公権力の行使を制限するために主権者が定める根本規範」というのが、近代立憲主義における憲法の定義です。決して国家がその伝統をうたったり、国民に道徳や義務を課すための規範ではありません。
民主党:憲法記念日にあたって(談話)
憲法を、政権の都合で書き換えたり解釈を変えたりするという、およそ立憲主義とは無縁な、時代錯誤な考え方です。
民主党に対する「お前が言うか!」というツッコミはさておき、この場合、鳩山由紀夫のほうが正論を言っている。近代の憲法は一般的に「硬性憲法」であり「制限規範」であるという、すでに世界中で常識になっている概念を覆すような、いい加減かつデタラメなことを言っているのはどちらなのか? 答は書かなくても明白だ。
現に、現行の「日本国憲法」にも下記のようなことが書いてある。これに異議を唱える法律家、これを変えられる政治家はいないと思われるくらいに当たり前すぎることだ。
第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
- 作者: 長谷部恭男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/04/20
- メディア: 新書
- 購入: 4人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (104件) を見る