恋愛にたかる蝿のような占い師

 陣内智則藤原紀香の結婚に関しては、「本人同士の問題」だとしか思えないのだが、世間ではそう思っていない人が多いらしい。
 「藤原紀香陣内智則を選んだのには何か恋愛以外にも何か訳があるに違いない」という、両者の意志を無視した、というか陣内智則を見下した価値観があるように思われる。
 その結果、何が起こったかというと、次から次へと胡散臭い占い師や自称霊能者が、「あの夫婦を結びつけたのは私だ」とか、「前世から決まっていたことです」とか言い出している。
 別に「格差婚」だろうが何だろうが、全ては本人達の意志である。結婚を決めるのは両人の自由な判断だし、収入や社会的評価の差で結婚を禁止する法律などはどこにもない。それを無視し、自分の商売に利用するというのはあざとすぎる。実際、テレビで、「あの二人を結びつけたのは私だ」と断言した占い師に対して、正式に抗議が行われたという記事も読んだ(藤原紀香は風水師に肩入れしているのだが、結婚を勧めたのが自分だと決めつけた風水師に対して「結婚は自分の意志だ」と抗議したのだという。また、有田芳生が「どうも風水で陣内を選んだかのように書かれたことが不満だったようだ」とも書いている)。
 この根底には、「下っ端芸人が、一流女優を手にできたのには何か裏があるに違いない」という、見下した感情と、外衆の勘ぐりしか無いように思える。
 総じて、占いとか霊能者は、本人達の耳には入らないだろうことを見越して勝手に結果を後付けしているだけだし、「前世からの運命です」とか何とかなどは後から何とでも言えるのだ。こんな意味不明で無茶苦茶な商売の道具にされてしまう結婚って……。
 普通は当人同士の幸せな結婚は無条件で祝福すべきものなのに、「格差婚」というだけで珍しいものにたかる蝿のように、インチキ占い師や霊能者が商売に利用している姿は正視に耐えない。