弱者切り捨て、強者優遇

全額公費負担で医療を受けている生活保護受給者への投薬には、価格の安いジェネリック(後発)医薬品を使うよう本人に指導することを厚生労働省都道府県や政令市などに通知していることが分かった。指導に従わなかった場合、生活保護手当などの一時停止や打ち切りを検討すべきだとしている。

ジェネリック医薬品:生活保護受給者は使用を…厚労省通知

 ジェネリックにするかしないかは、患者に与えられた「選択の自由」であるはずだ。
 私には抵抗感が無いから「安いんならジェネリック」と言っているのだが、人によっては不安を感じることもあるだろう。一部の医師ですら、ジェネリックを信用していない人もいると聞く。
 そんなきわどい問題において、医師や患者の「選択の自由」を奪い取り、「貧乏人は安い薬を使え!」などというのは、「貧乏人は麦を食え」と言った池田勇人と同じではないか(後日、この報道は歪曲だとされたが)。
 自由を奪い取って強制する。しかも、健康にかかわるという重要な点で、だ。こんな事は完璧に憲法違反じゃないのか?
 財政が切迫しているのは承知している。だが、国民の側から行政に対して制限をかけている憲法に違反するようなことをされるというのは、はなはだ不愉快だ。役人の無神経さと常識の無さには呆れかえる。