百害しかない排他主義

今回の問題が報道されるようになった後、のり子さんが通う中学校には「どうして不法滞在者の子どもを受け入れるんだ」という批判の電話が相次いだ。このため、当初支援していた学校側は「今は事態の推移を見守るしかない」とする。
アランさんは「私たち夫婦は不法入国しました。でも娘にはなんの罪もない」と話している。一家を支援する渡辺彰悟弁護士は「子どもには等しく教育を受ける権利がある。入管は、日本で夢を実現したいというのり子さんの思いをよく聞いた上で判断してほしい」と訴えている。

大好きな日本で両親と生活を 13日に仮放免期限 蕨の比人中学生

 そう、両親は確かに不法入国かもしれない。でも、娘さんには何の罪も無い。生まれの問題で他人を断罪する権利など、誰にもないはずだ。
 この問題で、学校に抗議の電話をする連中の気が知れない。娘さんは日本で生まれ、日本で育ち、日本の教育を受け、日本語しか話せないのだ。そして友達はみんな日本人で、日本に住んでダンススクールを開くことを夢見ている。この娘さんのどこに罪があるだろうか。両親の問題であり、親の罪によって子供を断罪することなど、絶対にあってはならない。
 両親には何らかのペナルティが与えられても仕方が無い。不法入国なのだから。でも、その娘さんは日本で生まれているのだ。日本に住んで暮らしてゆく権利を剥奪するなど、あまりにもかわいそうだとは思わないだろうか。
 こんな例はこれから増えてゆくことだろう。今のうちに「寛容さ」を示す前例をたくさん作ってほしい。