タルコフスキイ監督に捧ぐニュース

世界中の都市オタク達が集まる掲示板「skyscrapercity.com」において、“世界一未来的な都市”決定戦が開かれ、東京が見事その栄冠を手にした。
一位の東京は97票(41.1%)を獲得し、二位のドバイ52票(22.0%)、三位の香港43票(18.2%)、四位の上海41票(17.4%)、五位のソウル3票(1.3%)と他を大きく引き離した。

世界の都市オタクが認定 世界一未来的な都市に東京

 実際に住んでいると実感は湧かないが、いったん外に出てみると首都圏近郊の凄さを実感する。
 たしかに、東京は物凄いところだと思う。
 こんなに地震の多い国に高層ビルを建てまくるというのは無謀なような気もするが、実際には高度な耐震設計で対策がなされ、あちこちに背の高い建物が土筆のごとく建ち並んでいるという風景は圧巻だ。夜にレインボーブリッジのあたりから眺める東京の光は、非常に幻想的で美しいと思う。今では古くなったし、渋滞も凄いが、「首都高速」という土木事業は、タルコフスキイ監督が「未来都市だ」と感じるのも無理は無いと実際に納得できる。そして網の目のように整備され、どこへ行くにも苦労しない鉄道網と地下鉄網の完備、これは世界中に誇れる大事業だろう。
 しかも、東京の中には古い街並みも残っていて、そのギャップが逆に絶妙な味になっている点も凄い。
 そして、箱だけではなく、中身の面でも、今や東京は、日本の代表的な都市として、ファッション、ライフスタイル、映画、J-POP、アニメ、ヲタク文化の発信地でもある。
 都市として、最先端のソフトとハードを兼ね備えた東京は、日本人の「折衷案が上手い」という絶妙なバランス感覚の上に構築された奇跡なのかもしれない。
 タルコフスキイ監督が「惑星ソラリス」の中で、東京を未来都市のモデルとして紹介したが、東京はその当時から変わらず進歩し続けているのだと言える。
 風水を信じる気にはなれないが、「帝都物語」では「東京」という土地の特殊さが語られたが、そんな話も納得できてしまう不思議な場所だと思う。

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帝都物語〈第壱番〉 (角川文庫)

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